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今週の相場観:2019年5月第3週

先週は、米中貿易協議を巡り様々なニュースが飛び交い市場はリスクオフムードが漂いました。

 

結果としては、「協議は継続」としつつも米国による追加関税が発動され、株価は総じて下落し円高傾向に。。。

 

関税引き上げで大きく下落したドル円

ドル円ですが、週末にトランプ米大統領がいきなり、「中国からの輸入2000億ドルに対する関税を10%から25%に引き上げる!」とツイートしたため、月曜日は110.70近辺と5月3日の終値111.10から窓を開けて、ギャップダウンしてスタート。

 

日本が大型連休の最終日の中、110.30割れまで下落し一旦はNY時間に111円近くまで持ち直す荒い展開でした。

 

その後もライトハイザー米通商代表部(USTR)代表から「米政府は10日に対中関税を引き上げる」、ムニューシン米財務長官「中国との貿易協議の方向は大きく変わった」などの発言が聞かれ、リスクオフ雰囲気が強まります。

火曜日は110.20割れ、水曜日は節目の110円を割れて109.90まで下落となりました。

 

この頃には中国側が、米国が最も気にしている外国企業の知的財産権の保護に関する合意を骨抜きにしたことが伝わって来ていたため、「合意は困難」と見られ、木曜日にさらにドル円は売り込まれ109.50割れを示現。

しかしそこでトランプ大統領から「習近平国家主席から素晴らしい書簡を受け取った」「今週中の中国との合意は依然として可能」との発言が聞かれると109.90を回復と不安定な動きが続きました。

 

金曜日は東京時間に一時110円台を回復するも合意はならず、関税引き上げが発表されて再び下落基調となりNY時間には109.50を再度タッチ。

ただそこで合意には至らなかったものの「中国との通商交渉は建設的だった」「今後も協議は継続」との報道で株価が持ち直すと共にドル円も買い戻され109.90台で週末を迎えました。

 

クロス円が警戒され押し戻されたユーロドル

ユーロ・ドルは、米中協議で米ドルが軟調となる中、総じて堅調に推移しました。

 

月曜日のオープンはユーロ円の売りに押されて、1.1200から1.1180近くとギャップダウンしてスタートしましたがジリジリと買われ、火曜日には1.1220近くまで上昇。

ただそこからはオプションに絡んだ売りが上値を抑えて木曜日まで1.1170と1.1120のレンジ内で方向感ない動きでした。

 

木曜日に意識されていた1.1220を抜けると一気に1.1250もブレイク。

このまま走るかと思われましたが、ユーロ円への警戒で結局1.1220割れまで押し戻されました。

 

金曜日は米中協議の今後の展開に期待するクロス円の買いで再び1.1250越えまで買われましたが、強気になり切れず多少売られて1.1230近くで引け。

 

ポンド・ドルは、週を通じて軟調です。統一地方選挙が実施されていた英国では、与党保守党と最大野党である労働党が共に惨敗。。

 

メイ首相、コービン労働党党首の体制下では、下院を通過する案を生み出せるかが疑問視され、結局Brexitを巡る議論に全く進展は無く時間を浪費ということでポンドは下落しました。

金曜日の引け1.3170近くから、1.3000割れまで下落して週末を迎えています。

 

オーストラリア・ドルは、米中協議と金融政策を巡り激しく上下。まず月曜日は0.7020から0.6970までギャップダウンしてスタートしました。

火曜日に一部で期待されていた利下げを行わなかったため、一気に0.7050まで買われますが、難航する米中協議を見ながらずるずる売られて木曜日には再び0.6970台まで押し下げ。金曜日は今後の協議進展への期待で0.7000近くまで買い戻されて引けました。

 

引き続きトランプ大統領の対中姿勢が鍵に

さて、2000億ドルの輸入品に対して関税引き上げが発表され物別れに終わった米中協議、金曜日には「協議は建設的だった」と報道があったのに、トランプ大統領から「中国からの全ての輸入品に対して25%の関税を適用する準備を進める」とマーケット引け後に発表。

週明けも一旦はドル円の下値を探る展開が見られそうです。

 

株価も下値を試すリスクオフからスタートする可能性が高く、なんと日経平均は令和に入ってから一回も上昇していないという悲しい状況(涙)

 

今回の件からも垣間見られましたが、中国側はトランプ氏の次の大統領になれば多少、圧力は弱まると踏んで譲歩しないというスタンスに変えてきたのかもしれないですね。

 

何だかんだ言っても貿易戦争となれば中国の方が景気への下押しの影響は強いため、のらりくらりと時間稼ぎをして次の大統領の時に有利な条件で交渉を進めるのが国益と見ている節があります。

 

トランプ氏のハードスタンスは国内の物価上昇への圧力となりますが、雇用を国内に持ってくるという方向性ですので、国民の受けは良く支持率も上昇、やっぱ敵を外に作るが政治的なパフォーマンスとしては有効ですね。

今後も、ツイッターに一喜一憂の市場が続きそうです。

 

値動きは当然ながら、ファンダメンタルズと関係ない荒いものとなりそうですので、無理しないでいくしかないですね。

 

今週もドル円、クロス円の下落に備えつつトレード機会を探りたいところです。

それでは皆様、今週もグッドラック!!

 

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