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今週の相場観:2019年7月第4週

先週は、月末のFOMCにおける利下げが0.25%なのか0.50%なのかを巡る思惑で為替がせわしなく上下する読みにくい展開。。。

 

対ドルでは、オセアニア通貨、日本円が上昇する一方で欧州通貨が下落とまちまちの動きでした。

 

 

利下げを織込み上下したドル円

ドル円は107.90近辺からスタート。

週初は108円を挟んだ小動きに終始していましたが、火曜日の夜に発表された米小売統計が強い結果となり、市場は0.5%利下げの可能性低下を織込みドル円も108.40まで上昇しました。

 

ただ、積極的な利下げ観測が否定されると米株もやや調整気味となり、つられて日経平均株価も低下。

ドル円も結局上がり切らず徐々に低下傾向となり、水曜日には108円まで下落します。

 

木曜日の東京時間には日経平均の大幅下落と共に107.60台まで下値を切り下げました。

欧州、NY時間に入ると再び利下げがそれほど積極的とはならないとの思惑から買戻しの展開に。さらに、フィラデルフィア連銀の景況感指数が非常に強い結果となったとことで108円まで買い戻されました。

 

そこで今週一番のかく乱要因となったウィリアムズNY連銀総裁の発言「見通しが悪化した時はquickに行動するのが良い」が報道されると、市場は0.50%の積極的な利下げが暗示されたと解釈して一気にドル売りへ!107.20まで大幅に下落しました。

 

しかし、翌日東京時間の朝方にNY連銀から「ウィリアムズ総裁の発言は、学術的なものであり月末のFOMC会合での政策についての発言ではない」との火消し報道が出て、再びドル買いとなり107.80まで上昇。

 

ブラード・セントルイス連銀総裁からは「FOMCで0.25%の利下げが実施されれば、それは予防的(pre-emptive)」、ローゼングレン・ボストン連銀総裁は「景気減速の証拠は未だ見つかっておらず、経済が良好な間はそれほどの緩和は必要なし」コメントで一時108円手前まで買い戻され、若干失速して107.70で引けました。

 

ポンド売りで下落したユーロドル

ユーロ・ドルは、1.1270台からスタート。

週初1.1280台まで上昇しましたが1.1300越えに失敗すると失速。。火曜日はポンド売りの影響で対ドルで1.1200近くまで下値を伸ばしました。

 

その後はじりじりと1.1240台まで回復していましたが、木曜日の欧州時間にECBがインフレ目標の修正を検討との報道が出て再び1.1200近くまで下落します。

そしてNY時間の上記ウィリアムズ総裁の発言で1.1280回復!しかし、反転否定の報道で1.1240まで下落。NY時間でも米国の積極利下げがやや否定される中で、1.1220台まで売られて引けました。

 

ポンド・ドルは1.2580近くからスタート。ボリス・ジョンソン氏の就任が近く「合意なき離脱」可能性が高まっているとの観測から売りが優勢、火曜日には一気に1.2400まで低下しました。

その後は上記ウィリアムズ総裁の発言で上下するユーロと同様に動きで1.2550を回復後、1.2500台まで売り戻されて引け。

 

オーストラリア・ドルは、0.7020台からスタート、方向感のない動きに終始していましたが、木曜日の豪雇用統計が強い結果となったことや上記ウィリアムズ総裁の発言で0.7080まで上値を伸ばしました。

その後0.7040台まで売られて金曜クローズ。

 

今後の動向はFOMCとECBの内容次第

さて、7月末のFOMCが近づいてきました。

 

上述のウィリアムズ総裁の発言とその後の火消し報道を見ますと「0.25%の利下げがほぼ確定的」というのが市場の見方です。

会合後の声明文などで、利下げはあくまで予防的、今後の方針は経済統計次第などと様子見のスタンスが示されればドル高が強まる可能性もあるので注目です。

 

今週の木曜日のECBにも注目です。

報道にあったECBのインフレ目標の修正について何か具体的な話が出てくるのか、もし追加緩和を促すような変更であった場合、ユーロ安が一気に進む可能性も否定は出来ないでしょう。

 

ただ、米企業決算を見ていますと、鉄道輸送大手CSXのCEOは、「世界および米国経済を取り巻く環境は例年と違っており、自分のキャリアで経験した中で最も不透明感が強い年のひとつ」と発言。

アルミ大手のAlcoaも「貿易摩擦やマクロ経済に対する向かい風などで中国および中国以外での需要が減っている」と述べており、今後、貿易摩擦の影響などが実体経済へ影響を及ぼし景気減速がデータ上も目立つ可能性も十分にあることや、トランプ政権のドル安容認姿勢を見ますと、一方的な米ドル高も考えにくのではないでしょうか。

 

米ドルを売りたいが、どの通貨に対して売るのが効果的なのかに頭を悩ます展開ですね。

緩和余地が少ないとされるユーロ、円が有力ではあるのですが。。

 

ECBのインフレ目標の修正の具体的な内容の発表に留意しつつ、ユーロ・ドルの買いやドル円の売りの機会を静かに探して臨みたいと思います。

 

それでは皆様、今週もグッドラック!!

 

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