先週は、FOMCにおける0.25%の利下げにも関わらず、パウエル議長の質疑応答がタカ派と解釈されドル高が進みました。
また米中貿易協議が難航、第4弾の対中貿易関税を9月に発動との報道が聞かれたことでクロス円の売り圧力が強まる展開に。。。
FOMCからの、トランプ発言
ドル円は、108.70近辺からスタート。大きなイベントを控えていることもあり、全般的に静かな動きでした。
月曜日から水曜日までは108.50をわずかに割り込む水準と109円のレンジ内推移に終始して、108.60近くとほぼ週スタート時と変わらない水準でFOMCを迎えました。
さて、注目されたFOMCですが事前予想通りに0.25%の利下げが実施されたことにサプライズなし、中銀のバランスシート縮小を8月にストップとの部分が若干緩和的と解釈され一瞬108.50方向へ円高となりました。
ただ、それほど大きな材料でもなく、パウエル議長の質疑応答待ちの様相となりすぐに買い戻し。その質疑応答ですがいくつか重要な発言がなされました。
「利下げはあくまで予防的なもの」
「この利下げは必ずしも利下げサイクルの開始ではない」
「データを精査しながら今後の方針を決定」
と今後の利下げ継続を期待していた参加者が冷や水をくらう発言で一気にドル高に進み、109円丁度までドルが買われました。また同時に株価も大幅に下落していたせいもあってか、「利下げはこの一回と言っているわけではない」と発言して若干ドルが売り戻され108.8近くでその日のNYを終えました。
木曜日の東京時間にドル高にフォロー買いが入り109円をブレイク、上値を109.30台まで伸ばしました。しかし、東京勢が退いた後はじり安展開となり、そしてトランプ氏の「第4弾の対中関税を9月にも発動」とのツイートが出ると、リスクオフの勢いが増し一気にドル円売りとなり木曜日に107円前半、金曜日にも追撃の売りが入り、良好な雇用統計も無視して106.60と底値圏での引けとなりました。
ユーロ・ドルは、1.1130近くからスタート、他の通貨同様にFOMC控えて小動きでしたが、「合意なき離脱」の可能性が高まる中、ユーロ・ポンドの上昇が顕著でしたのでそれに支えられてじり高でした。1.1150近くでFOMCを迎えたわけですが、上述の通りパウエル議長のタカ派的な発言からドル高となり、節目の1.110を割り込むとその日のうちに1.1060まで下落。
翌日も1.1020台まで売られました。
しかし、そこで、トランプ氏の対中関税発動のニュースが流れてドル安に転じると徐々に買い戻され木曜日に1.1100手前、金曜日には1.1110近くと節目の水準を回復して引け。
ポンド・ドルは1.2380近くからスタート。
ボリス・ジョンソン氏が主要閣僚をハード・Brexit派で固めたことで、週初からポンドには売り圧力がかかりました。
またEU、英国双方から妥協の雰囲気は見られず、「合意なき離脱への準備がある」との報道が聞かれており、一時1. 21割れまで売られました。
その後、トランプ発言後に多少戻して1. 2160台で引けとなりました。
オーストラリア・ドルは、0.6910台からスタート、米中協議に大きな進展が見られない中、じり安といいった中で、対中関税発動のニュースで一段売られて0.6800近くでの引けとなりました。
FOMC関係者は追加の利下げには慎重
さて、FOMCですがいわゆる「タカ派的な利下げ」となり、無条件で利下げ継続との雰囲気は出ませんでした。
パウエル議長の発言の節々に、本音では「利下げしたくはないのだがなー」といったニュアンスが個人的には感じられました。ただ、各国の中銀が緩和的に動く中ですので、何もしなければ自然に米ドル一強状態となり、ドル高が貿易を押し下げるということになります。
世界景気、各国中銀の様子を精査しつつ受身的に利下げをするというのが、現在の方針でしょうか。
一方のトランプ大統領はデータに表われる前に利下げすべきとのスタンスですので、今後ともノイズが多そうですね。。
欧州も9月の会合で何らかの緩和を発表してくるはずので、それに向けた地ならし報道が、8月中に聞かれるはずでややユーロに売り圧力でしょうか。
ポンドも徐々に10月末に向けて時間がなくなっていきますので、思わぬ報道、動きに注意でしょう。
経済指標よりも政治要因で相場が動く
というわけで夏場の薄い中で、政治ニュースに振らされる非常に読みにくい展開が待ち受けている気がします。なかなか、継続的に保有できるような通貨ペアがないので、臨機応変に行くしかないですね。。こういう時は、ほんと無理せず生き残ることだけに注力して大きなチャンスに備えるといったイメージで臨むのが無難ではないでしょうか。
触りたいけど、触れない。。。
皆様、良い夏休み休暇とトレードを!それでは皆様、今週もグッドラック!!
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