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今週の相場観:2020年1月第5週

前週は中国発とされるコロナウィルスの感染例が世界各地で報告され始め、米株を始めとする世界のリスク市場に調整が。

 

米国債金利も低下し、ドル円、クロス円が幅広く売られました。

 

 

ドル円は新型ウイルスでリスクオフに

ドル円ですが、コロナウィルスによる新型肺炎を警戒する形で110.05近くと前の週の引けの110.10台から微妙に下に窓を空けてスタート。

 

月曜日は米国の休日であり市場の動きも緩慢で狭いレンジで推移一時110.20台まで小幅に上昇。

火曜日からはコロナウィルスの拡大を警戒するトーンが強まり始めました。

 

アジア株市場の下落を見ながらドル円も上値が重く、一時110円割れまで調整。

NY時間で米国での感染例が報告されると株式市場の調整と共に109.80台まで下落しました。

 

水曜日以降も多少戻す局面もありましたが、上値は非常に重く、時間の経過と共にコロナウィルスが世界に拡散していることが報告され始めると、ドル円に下落圧力がかかりはじめ、木曜日には一時109.25台まで下落。

 

金曜日も一時109.60台まで戻すもNY時間の米株下落、週末に向けた警戒感から売られて109.20台で引け。

 

ラガルド新総裁発言で売られたユーロドル

ユーロ・ドルは、木曜日のECBイベントを控えて週前半は非常に小動きでした。

 

1.1090近くからスタートし小動きに終始。

火曜日の欧州時間には一時買いが強まり1.1120手前まで上昇です。

 

しかしNY時間に入り、コロナウィルス感染が米国で報告されるとクロス円の売りに押され始めて売られはじめ、1.1080近くまで押し戻されました。

その後もイベントを控えて1.1070と1.1100の狭いレンジで推移し木曜日のECBへ。

 

ラガルド新総裁が「基調インフレに緩やかな上昇の兆しがある」と発言した時は一時買いに傾き1.1110近くまで上昇しましたが、「成長見通しへのリスクは依然下向き」「非常に緩和的な政策が長期に渡り必要」とドラギ総裁の緩和路線をそのまま継承する発言をしたことでユーロの売り開始、コロナウィルスによるユーロ円の売りも重なり一時1.1040割れまで売られました。

 

金曜日も売り基調となり1.1020台まで売られて週末を迎えました。

 

ポンド・ドルは、1.3000割れとやや下に窓を空けてスタート。

利下げへの思惑が強まる中一時1.2960台まで売られましたが、そこから反転上昇!

 

火曜日に発表された雇用統計、水曜日の英CBI製造業楽観視数、金曜日のMarkit発表の景況感指数がいずれも良好な結果であったことでショートカバーの買いが見られ、火曜日に1.3080台、水曜日には1.3150、金曜日には1.3170台までそれぞれ買いが進みます。

 

しかし週末前にコロナウィルス関連の報道への警戒感からクロス円の売りが入り、結局1.3070台まで売り戻されて引けました。

 

オーストラリア・ドルは、0.6870台からスタート。

最大の貿易相手国である中国でのコロナウィルス拡大から週を通じて上値が重い状況が継続しました。

 

ジリジリと下げて水曜日には一時0.6820台まで下げ。

木曜日は雇用統計が強い結果となったことで0.6880まで戻す場面も見られましたが、結局はウィルス拡大を受けたクロス円の売りに戻されて0.6830台まで売られて金曜クローズ。

 

感染拡大による相場急落も念頭に

さて、今週はFOMC、英中銀の金融政策発表、英国のEU離脱といったイベントが予定されています。

 

ECBがラガルド新総裁の無難な発言で無風となりましたが、米英でも政策金利の据え置きが市場のコンセンサスです。

 

一部投資家には英中銀の利下げの思惑もあるのでポンドが大きく動きそう。

 

米中協議ですが、第2弾の合意に向けて特定の期限は念頭にないとの発言がムニューチン米財務長官から聞かれていますので、すぐに事態が動くということはなさそうです。

こちらも突発的なヘッドラインが流れて市場が揺さぶられそうですが、目先はコロナウィルスの拡大がどこまで市場の混乱を引き起こすかが注目です。

 

一部専門家の間ではSARSを超えるともいわれており、武漢など感染者が多い地域での移動の封じ込め、中国の団体旅行禁止などが聞かれていますが、週末に報告されたところでは感染者は世界で拡大しており今週もリスク市場に調整が入りやすい展開でしょうか。

 

特にインバウンド消費が頼みの日本経済への悪影響が懸念され、ドル円もなかなか上昇しにくそうです。

 

ウィルス拡散、戦争といった材料の市場への影響は多くの場合は短期的に留まるというのが定石ではあるのですが、今回の件は早期のステージでの抑え込みに中国が失敗している節がありますので、思ったより影響が長引くかもしれません。

 

ドル円やクロス円の急落に備えたいところ。

 

うがいと手洗いでしっかり対策して健康に気を付けてまいりましょう。

市場での生き残りも大事ですが、物理的な生き残りも大事です!

 

それでは皆様、今週もグッドラック!

 

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