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今週の相場観:2020年10月第2週

大統領選の第一回討論、ISM製造業指数、米雇用統計の発表やEUと英国による貿易交渉などが先週の材料でした。

 

週前半はバイデン氏優勢動かずで、ややリスクオン気味に推移。

 

「英欧の交渉進展なし、妥協可能」といったヘッドラインニュースでポンドが乱高下する局面や、金曜日には「トランプ米大統領がコロナに感染、ホワイトハウスから複数の感染者」との速報が流れ、市場は一時リスクオフに傾く場面もありました。

 

全般としては、9月後半から続いていた米ドル高の反動が見られたのでは。

 

トランプ大統領のコロナ陽性で一時下落したドル円

ドル円は105.60近くからスタート。

月曜日は特にニュースも無い中、東京、欧州時間に売られてNY時間に買い戻し、というここ数週間と同じパターンのレンジ推移でした。

 

火曜日はトランプ大統領とバイデン民主党候補の第一回公開討論会。

双方、批判の応酬で肝心の政策論争はなかなか進まず、討論のモデレーターもすぐに口を挟んでくるトランプ大統領を制することが出来ずといった感じで、混沌としたものとなりました。

 

ただ市場は冷静で、トランプ氏が持ち込んだ批判合戦は「トランプ氏が自分の支持基盤以外に支持者を得る機会を逸した」と解釈した模様で、バイデン氏優勢動かず。

大統領選に向けた不確実性の後退で株価上昇となりクロス円絡みの買いで105.70まで上昇しました。

 

水曜日の東京時間には105.80まで引き続き買いが入り、その後は月末フロー、ISMなどの材料を無難にこなしつつ横這いで動きます。

金曜日の東京時間にトランプ氏のコロナ陽性が報じられると、クロス円が一斉に売られてドル円も一時105円割れまで下落。

 

NY時間の米雇用統計は、失業率低下を伴う堅調な結果でしたがさほど材料視はされず、トランプ氏陽性を受けた株式市場の動きに注目が集まりました。

ただ株式市場も冷静で弱くスタートしたものの結局買い戻されて小幅の売りにとどまったため、最終的に105.30まで買い戻されてクローズに。

 

英欧交渉進展への期待で上昇した欧州通貨

ユーロ・ドルは、1.1630近くからスタート。

英欧交渉への進展期待や、トランプ・バイデン氏の公開討論を受けたリスクオンで、月曜日、火曜日と買われて1.1740越えまで上昇しました。

 

水曜日は四半期末を意識した米ドル買いに押されつつも1.1700台をキープ、木曜日は英欧交渉が暗礁との報道で一旦下落。

その後、妥協点を探るのは可能との報道で1.1770台まで上昇する場面もありました。

 

金曜日は、トランプ氏陽性報道を受けて、一時リスクオフに傾きクロス円売りとなったため、1.1700割れまで再度下落。

株式市場が落ち着いた動きを見せたことで多少買い戻されて1.1710台で引けました。

 

ポンド・ドルは、1.2750台からスタート。

 

月曜日から、上記の通り英欧協議への期待によりクロス円絡みの買いで1.2930台まで大幅に上昇しました。

その後、続報が無い中でダラダラと下落し、1.2850まで戻す激しい値動き。

 

水曜日は1.2800台まで下落するも、再び協議進展期待と月末外で1.2940台まで買われます。

木曜日は、まずEUサイドから歩み寄りなし報道で1.2820まで急落。

 

その後、妥協点を探るのは可能との報道で1.2980まで急騰、続報なくダラダラと1.2860台まで下落と激しく上下しました。

金曜日は、協議を継続との報道で再び1.2950まで上昇、多少上下して1.2930台で引け。

 

オーストラリア・ドルは、0.7030台からスタート。

週初から買戻し基調で展開。

心理的な節目であった0.700がサポートされたことや、米公開討論を受けたリスクオンで順調に上昇しました。

 

火曜日に0.7100突破して以降、木曜日には一時0.7200を上抜けしました。

金曜日はさすがにトランプ氏陽性の材料もあってやや売られて0.7160台で週末クローズ。

 

トランプ氏の罹患はさほど材料視されず

さて、先週は金曜日のトランプ米大統領のコロナ陽性で全ての材料がかき消されたような気分になりましたね。

週末の報道を見るに、どうやら容態は回復に向かっている模様です。

 

金曜日の市場の動きは若干のリスクオフとなりましたが、それほど大きく動きませんでしたので、民主党のバイデン候補の優勢は動かず。

つまり、それほど材料視されていないということなのかもしれません。

ただ、何がきっかけで市場が動き出すかわかりませんので、引き続き注目です。

 

このまま無風でバイデン勝利となれば、財政拡大と法人税増税などが予想されますので、米企業利益には若干ネガティブとの見方が根強いです。

ただ、海外の利益に懲罰税を課すなどの話もありますので、米景気自体にはポジティブなのかもしれません。

 

「海外から資金を引き揚げて米国内に投資」という流れが強まれば、数年にわたる米ドル高トレンドの可能性もありますので、頭の片隅にはおいておきたいところです。

 

短期的にリスクオン・オフどちらにも動きそうで、ポジションが取りにくいですが、トランプ氏に何が起きようと大統領選のメインシナリオ、バイデン勝利の可能性が若干高いかなと見ますので、市場がリスクオフでドル円が下落した局面などは、反対に軽めの買いで向かおうかと考えております。

 

いずれにせよ、怪我しないように気を付けることが第一ですね。

ドルにどのように影響するかを見定める週となりそうです。

 

それでは皆様今週もグッドラック!

 

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