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今週の相場観:2020年11月第4週

今週も、米モデルナ社の治験関連のポジティブなニュースでスタートしました。

ワクチン関連のニュースは総じてポジティブなものが増えてきており、実用化に向けての期待が高まってきています。

 

ただ、足元の世界の感染者数拡大が市場の楽観ムードを抑制して世界の株価も伸び悩む状況。。。

 

米国では、ムニューチン財務長官からの要請で、FRBがIG社債や地方債を購入するための資金を没収されたことも株価にとってややネガティブな材料に。

ドル円もじりじりと下値を拡大する形なりました。

 

株価の伸び悩みで下落したドル円

ドル円は104.60台からスタート。

だらだらと104.50割れ程度まで下げていましたが、欧州時間に入ってモデルナ社のワクチンも95%の有効性あるとの報道で一気に105円越えまで上昇しました。

 

しかし、前週のファイザーの報道でワクチンに関する好材料は織り込む済みということなのか、株価の伸び悩みと共に失速。

結局104.50まで売り戻されました。

その後は、コロナ感染拡大と景気後退リスクが意識される形で、株価が伸び悩む中米国債金利も低下し、じりじり米ドル売りとなり水曜日には103.60台まで続落。

 

木曜日に一時リスクセンチメント回復で104円を超える場面もありましたが、NY時間から「ムニューチン財務長官がFED資産購入政策で未使用の資金を回収する」との報道が。

これを受けて、米金利が再び低下しドル円も反転下落しました。

 

金曜日にパウエル議長から書簡で資金回収に応じると報じられ、ドル円はじり安のまま103.80台でクローズです。

 

ワクチン報道も上値が重いユーロドル

ユーロ・ドルは、1.1830近くからスタート。

モデルナのワクチン報道でクロス円が買われる局面で1.1890台まで買われますが、その後失速して1.1820台まで下落と方向感出ない展開でした。

 

火曜日以降も1.1900トライと1.1820のレンジの中で上下しました。

英欧協議の進展期待で買われては、コロナ感染拡大のクロス円売りで頭を抑えられるという感じで、結局レンジの中心の1.1860近くで引け。

 

ポンド・ドルは、1.3180近くからスタート。

モデルナワクチンの報道で1.3240台まで上昇した後1.3200に戻すと、多少の上下を伴い月曜日を消化。

その後、英欧協議の進展期待や米国債金利の低下に伴う米ドル売りでじり高となり、水曜日には1.3310台まで上値を伸ばしました。

 

木曜日は、NY市の学校閉鎖報道などの、コロナ感染懸念でクロス円が売られて1.3200まで一時下げました。

ただその後は切り返して再びじりじりと上昇して1.3270台まで買われて週末へ。

 

オーストラリア・ドルは、0.7270台からスタート。

モデルナのワクチン報道と中国経済回復への期待感も支えとなり月曜日に0.7320台、火曜日には一時0.7340台まで上昇しました。

 

その後はコロナ感染拡大懸念でクロス円が軟調となる中、売られて木曜日には一時0.7260割れまで下げる局面もありました。

ただ、その後は、他通貨同様に週末に向けて切り返して買われて0.7300近くで引け。

 

ワクチン普及で長期的に回復基調か

さて、コロナワクチンに関するポジティブな報道が増えてきました。

 

緊急認可が下りて、12月にもワクチンが配布されるとの話もあります。

ワクチンが行き渡るまでは多少の時間はかかるわけですが、それでも足者と感染拡大危惧される中、景気見通しを支える効果が期待されます。

 

一旦株価が下落しても、最終的には回復するといった見通しが立てやすい状況になりつつあると思います。

また、バイデン政権への移行プロセスが本格化してくる中で、次期財務長官として、イエレン元FRB総裁の名が挙がっています。

 

総裁任期中の緩和的スタンスを見ていますと、「財務長官となっても景気に対してポジティブな財政拡張的な政策をとるのでは」という期待も出やすいかと思いますし、大型財政を掲げる民主党との相性も良さそうです。

実現すると長期ドル安トレンドが発生するかもしれませんので、注目です。

 

一方で、コロナパンデミックで混乱した社債市場のバックストップとして機能した、FRBの買入れ政策の資金が財務相に回収されました。

コロナの再拡大で米大企業の資金調達を円滑にするうえでも社債市場の役割は重要ですので、変に荒れないか要注目です。

 

個人的には、ワクチン開発への期待と最終的な景気回復と、米財政拡張を背景とした米ドル安シナリオをベースにユーロ・ドルの買いや、ドル円の売りを念頭において、ポジション繰りをしていこうと思います。

 

今週の米感謝祭を経て本格的なホリデーシーズンですね。

相場も頑張りたいところですが、そろそろ市場のトーンに合わせて、体調を整えて来年に向けて備えていく時間帯ですね!

 

日本でもコロナ拡大、Go Toトラベル一部休止と何かと騒がしいですが、Stay safe!で参りましょう。

それでは皆様今週もグッドラック!

 

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