前週は週を通じて、コロナウィルスによる景気先行き懸念が重くのしかかりました。
株式市場は総じて調整、米国債金利の低下を背景に米ドルが弱かった他、ウィルス震源地である中国との貿易関係が強いオーストラリア・ドルが顕著に下落。。。
株価とともに大幅に下落したドル円
ドル円は、ウィルス拡散懸念から前の週の引けの109.20台から109円台と下に小さく窓を開けてスタート。
東京時間に108.70台まで低下、その後も上値が重い展開が続きました。
火曜日の東京時間に109円台に回復しましたが、中国から香港への旅行制限などのアナウンスがあるなど懸念が継続。
欧州時間には再び108円台で下値を模索する動きとなりました。
しかし、NY時間に入り米消費者信頼感指数やリッチモンド連銀指数が強めに出ると株式市場の反発と共に109.20台まで戻す展開に。
水曜日はFOMCを控えて東京・欧州は小動きでした。
当のFOMCでもパウエル議長から、短期流動性供給を目的としたレポ取引の規模については上記に調整を検討、コロナウィルスには警戒を要するとの発言以外には特段材料はなく、当面の政策金利据え置き観測に変化はなし。
明けて木曜日ですが、ウィルス懸念は払しょくされず再び108円台で上値の重い状況。。
NY時間にWHO(世界保健機構)から緊急事態宣言があると一時108.50台まで下値を伸ばしました。
ただ一旦そこで出尽くしと見たのか、株式市場が反転開始!
ドル円も109円近辺まで戻し、金曜日東京時間には109.10台まで回復しました。
ただウィルス感染者の数、死者数は増加をたどり、NY時間に入ると弱いシカゴPMI指数と株価大幅下落でドル円売りが一気に進み、108.30台まで下げて引けました。
政策金利据え置きでポンドドルは上昇
ユーロ・ドルですが、週前半は前週のECB会合でラガルド総裁から発せられた緩和方針の継続と、ウィルス懸念のユーロ円売りでじりじり売られる展開でした。
1.1030台からスタート、月曜は1.1020割れ、火曜日は一時1.1000割れ、水曜日も1.0990まで緩やかな下落。
しかし水曜日のFOMCから反転上昇が開始、1.1000割れでの買いサポートが強かったことや、パウエル議長の講演から当面の利上げハードルが高いとの見方がユーロ買いにつながり、木曜日に1.1040近くまで上昇!
米国債金利が大幅に低下した金曜日には1.1090台まで買われて週末を迎えました。
ポンド・ドルは1.3080台からスタート。
クロス円の売りや一部投資家の木曜日BOEにおける利下げ観測で週前半は弱く推移しました。
月曜日に1.3050割れ、火曜日と水曜日は1.3000割れの時間帯もあり、1.2970台まで下値を伸ばしていました。
注目された木曜日のBOE会合において、政策金利が据え置かれると、一気にポンド買いに傾き1.3100を回復。
金曜日も米国債金利の大幅低下を背景にユーロと共に買われて1,3200を回復して引けました。
オーストラリア・ドルですが、0.6820台からスタート。
さすがにウィルス拡散による中国景気減速への懸念は回避不能との見方が優勢で、週を通じて売られました。
水曜日に発表されたインフレ率が多少予想を上回り、一瞬買われましたが、その後もウィルス懸念に押され結局0.6690近辺まで下げて引け。
株式市場の動きに合わせた調整期間か
さて相場はコロナウィルス一色ですが、このようなシチュエーションは歴史的に何度かあり、数か月継続したとしても、いつかは必ず収束に向かいます。
一部報道ではHIVやエボラ出血熱に対する薬が幾分か効果を示したとのことです。
過度な楽観も危険ですが、過度な悲観もまた危険かと思います。
基本的には、パフォーマンスが長期間堅調でポジションも溜まっていた株式市場の調整と、ある意味タイミングが重なったというのが現状ではないでしょうか。
ワクチン開発の目途が立つまで、数か月はネガティブなヘッドラインとお付き合いをしなくてはいけなくなりそうですが、その後の反動も大きそうですので、それに向けて、今は体力温存と行きたいところです。
目先はリスクオフのドル円、クロス円売りのトレードを短期的に行いつつ、様子見という姿勢で臨みたいですね。
それにしても、チャーター便で日本に帰国した方のうち、検査を拒否して帰った方がいるとか。。。なぜ!?
これで被害が拡散したら本当にオリンピックどころではなくなります。
外資系企業のアジア地域出張もキャンセルが続出と聞いていますし、インバウンドが最も期待されたオリンピックイヤーに、日本、ついていないですよね。
今年の日本株は厳しそうな予感。
そうなると、やっぱりドル円の売りで勝負でしょうか!?
こういう緊急時は焦らず生き残りのみを考えてまいりましょう!
では皆様、今週もグッドラック!
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