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今週の相場観:2020年2月第3週

前週は週前半から半ばにかけてはコロナウィルスに対して効果のあるワクチン開発への期待の高まりや強めの米経済指標を受けて米株式市場を中心にリスクオン。

 

ドル円、クロス円を中心に上昇しました。

 

ただ週末にかけては、横浜のクルーズ船における感染者増加のニュースや週末報道への警戒感からややリスクオフ気味に株価低下、ドル円下落となり微妙な雰囲気で週末を迎えています。

 

強い経済指標に上昇も上値は重いドル円

ドル円ですが108.40台からスタート。

週末にHIVウィルス向けの薬がコロナウィルスに効果があったとの報道もあり、ドルがじり高、NY時間のISM製造業も久しぶりに景気拡大の節目となる50を超えて一時108.80近くまで上昇。

 

火曜日、水曜日も株式市場の回復と米国債金利の上昇とワクチン開発への期待感から上昇を継続、火曜日には109.50に到達しました。

水曜日も109.80台までと力強く続伸!

 

木曜日は一時110円超えを達成しましたが、その水準では日本の輸出企業筋からの売りも強く値動きは重く伸び悩み。。。

金曜日に入って東京時間に横浜クルーズ船での感染者増加が報じられると市場はやや警戒感方向に傾き、上値はさらに重くなり米雇用統計待ちの状態となりました。

 

雇用統計は雇用者数の増加は225千と予想の165千を上回り、平均時給の伸び率は年率3%超えと、労働市場が良好な状況を維持。

しかし、FEDの政策金利据え置きに大きな変化はなく、どちらかと言うとウィルス関連の週末報道への警戒感から株は小幅調整。。

ドル円も109.70台まで押し戻されて引けました。

 

貿易交渉先行きへの不安で下落した欧州通貨

ユーロドルは週初から下落を続け、じり安展開でした。

 

前の週のコロナウィルス懸念による米国債金利低下、米ドル売りの反動に加え、ラーブ英外相が「離脱の移行期間が延期されることはない」と改めて発言したことで、EUとの貿易交渉が一層タフなものになるとの見通しが下押しとなり、いいところがなく1.0940台まで売られて引け。

 

ポンドドルもユーロと同じく売り圧力の強い週。

上述のラーブ英外相の発言やEU側の高官からも交渉に強い態度で臨む旨の発言が聞かれる中、週明けの1.3200水準から売られ続け、結局1.2890近くと大幅に下落して引けました。

 

オーストラリアドルですが、0.6690近くからスタート。

週前半はワクチン開発への期待感や一部で噂されていた利下げが回避されたことで大幅に値を戻し0.6770台まで高値継続。

しかし金曜日の上述の横浜クルーズ船でのウィルス拡大報道から市場の雰囲気が悪化、結局強烈に売られ始めて0.6670台まで下げて引けました。

 

懸念される中国経済の鈍化

さて相場は引き続きコロナウィルス関連のヘッドラインが支配する展開です。

 

週前半は行き過ぎた悲観の戻しでドル円は堅調に推移しましたが、医療関係者からワクチンの開発にはそれなりの時間がかかるとの声が聞かれていることや、週後半のウィルス拡大報道で再び市場は悲観に傾いているように見えます。

 

最終的には収束するとの大局観は保ちつつも、やはり2-3ヶ月はヘッドラインニュースに振り回される覚悟で臨んだ方が良さそうですね。

 

中国経済の鈍化からエネルギー需要が落ちるとの連想で原油価格下落、エネルギー会社株価下落、GMやFordその他の自動車会社の販売落ち込み観測。

Coachやバーバリー、エスティーローダーなど小売り各社からの業績下押し懸念報道など、短期的には幅広い業種に影響が出てきそうですので、気を引き締めてポジション取りしたいところです。

 

週末に出ている報道としては、中国屈指の金融・IT産業の集積都市である深センがウィルス拡大を阻止するため実質的な都市封鎖を行うというもの。

また新型肺炎への警鐘を鳴らした医師の死亡、死者数がSARSを超えるといったものも出ています。

 

週明けの市場の雰囲気はやや悲観的なものとなる可能性もありますので、リスクオフのドル円、クロス円の売りなどには注意と言ったところでしょうか。

 

引き続き報道による急激な動きなどを念頭において生き残りを考え、過度なリスクは取らないように組み立てて参りましょう。

 

それでは皆様、今週もグッドラック!

 

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