前週も週を通じてコロナウィルス拡大とそれに伴う世界的な景気減速への懸念を背景にリスクオフセンチメントが継続しました。
米株式市場の下落、米国債金利の急落に伴うドル円、クロス円の急落が見られ、市場は混迷の一途を極めています。
米株暴落で急激に円高進行
ドル円ですが111.40台と前週の引けの111.60台から下に窓をあけてスタート。
週末のイタリアでの感染拡大を受けて弱めに推移、ロンドン時間からはさらに懸念が増幅され、NY111円割れまで下落となりました。
米株もダウで4％を超える下落を見せ、火曜日も悲観的トーンが支配したまま下落を継続し、110円割れ。
水曜日は小康状態を保ちましたが、木曜日にまた米株が4％を超える大幅な下落を見せて110円割れへ。
市場では急速に米金融当局による利下げ観測が高まり始めて、ドル円売り圧力が強まります。
金曜日には109円、108円割れと大台を一気に突破し、107.50台まで急落しました。
米株も一時再び4％を超える下落を見せ、まさにメルトダウン状態。。。
パウエルFRB議長が「新型コロナウィルスを注視、経済を支援するために手段を行使し、適切に行動する」と前回利下げ開始前と同じ言い回しを使ったコメントを発すると、株式市場は反転上昇、ドル円も若干買い戻されて、107.90近くで引け。
米利下げ観測で上昇したユーロドル
ユーロ・ドルは週末のイタリアでのウィルス感染拡大報道を受けて、1.0830台と前の1.0850近くから下に窓をあけてスタート。
このまま再度下を目指すかと思われましたが、意外な底堅さを見せました。
1.0800割れで見られた強い買い意欲や、週末に向けて米利下げ観測が高まる中で、今まで溜まっていたショートポジションのカバーが入り始めたことなどが重なり、買いが継続。
木曜日には1.1000を上にブレイク、金曜日は一時1.1050超えまで上値を伸ばして、多少戻して1.1030手前で引けました。
ポンド・ドルは、1.2950近くからスタート。
週初はイタリアの感染拡大報道からユーロと一緒に売られて1.2900割れまで下落。
その後1.3000超えまで持ち直しが見られましたが、週後半からは強まるクロス円の売りに加えて、英政府筋から「6月までにEUとの協定が明らかにならなければ合意なき離脱の準備を進める」
「EUとの離脱期間を延長しない」との報道も聞かれ、ポンド売りが加速。
一時1.2750割れまで急落、1.2820近くまで買い戻されて引けました。
オーストラリア・ドルですが、0.6600近くと前週の引け0.6630近くから下に窓をあけてスタート。
ウィルス拡大の懸念は週を通じて強まり、売り続けられました。
特に金曜日は一時0.6450割れまで売られ、0.6510台まで買い戻されて引け。
景気減速懸念はどこまで続くか
さて米株式市場の急落、米国債金利の急低下といわゆる利上げ催促相場の様相を呈してきました。
週間で10％超の下落となった米株式相場を横目についにパウエル議長も「適切に行動」と利下げ示唆をコメント。
金曜日の引けに向けて多少、米株は買い戻されました。
ただ週末に発表されている中国製造業、非製造業の企業景況感がそれぞれ予想45に対して35.7、50.5に対して29.6と過去最低の落ち込みを見せたこともあり、週開けても厳しい相場となりそうです。
前回のリーマン・ブラザーズの破綻を契機とした金融危機と違い、米大手金融機関が一応は健全を保っており、米経済においてはコロナ感染が多くはないと言うのが救いでしょうか。
株式市場の下落を背景に個人の消費が手控えられる可能性は十分にあり、行動心理を介した間接的な影響は景気の下押しとなることは間違いないでしょう。
どこまで景気減速懸念が継続するのか慎重に見たいところです。
しかし、上記のように米国発のショックではないことから、個人的にはそこまでは長期化しないのでは？と思っています。
今後1，2か月生き残ることに注力すれば、いずれはいい相場が来ると期待できますので引き続きディフェンス重視で参りましょう！
しかし、日本でのオリンピック開催はどうなるのか。
もし開催されなければ日本株への打撃は相当なものとなるでしょう。
想像するのも恐ろしい！
現状のウィルス報道を見ているとほとんど進展はないように見えますので、最悪に備えたいところです。
ドル円100円割れも先週のスピードだとあっさり行ってしまうかもしれませんし、逆に米株が戻れば急反発もあると思われ、本当に恐ろしい相場です。
慎重に慎重にいきましょう！
それでは皆様、今週もグッドラック！
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