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今週の相場観:2020年3月第4週

前週も週を通じて、コロナウィルス拡大と原油価格の下落を背景とした株式市場の下落が見られました。

 

為替市場では「有事のドル買い」の格言通り、FRBによる緊急利下げにも関わらず対主要通貨で米ドルが上昇。

 

 

「有事のドル買い」で上昇したドル円

ドル円ですが、週末のウィルス感染拡大報道を受けて、107.40近くと前の週から大きく下に窓をあけてスタートしました。

 

東京時間月曜日、米国時間日曜日にも関わらずFRBが緊急利下げを発表し、一時105.80割れまで下落。

その後、株価の回復とともに107.60近くまで持ち直しますが、欧州時間からリスクセンチメントオフが強まり、結局105.80割れまで売られて月曜日を終えました。

 

火曜日以降は景気を支えるために米国で大規模な財政政策が報道されたり、FRBが企業の短期的な資金繰りを支えるためにコマーシャルペーパーを購入するプログラムを発表したり、ポジティブなニュースが発表されました。

一方で、各国で渡航禁止令、国境封鎖、週末にかけてはNY州で外出禁止令などの経済活動を抑制する政策が発表され、結局世界的な株価下落が継続。

 

そのような環境では、円高傾向となるというのが今までよくみられた値動きだったのですが、火曜日以降は一方的に米ドルが買われる異様な相場となりました。

 

月曜日の105.80近くから、日中多少売られる場面はありつつも、ドル円は毎日上昇。

火曜日に107.70、水曜日に108.10近く、木曜日には節目の110をあっさりブレイクして110.70、金曜日は一時111.50と2月末につけた今年の高値112.25を伺わせる水準まで一方的に買いが入ります。

 

ただ週末を控えたポジション調整などで一旦売り戻されて110.90台で週末を迎えました。

 

BOE緊急利下げで大幅に下落したポンドドル

ユーロ・ドルは、イタリア、スペインでの感染拡大報道から、1.1060台と多少下に窓をあけてスタートしましたが、FRBによる緊急利下げを受けて1.1200まで急上昇。

その後1.1100まで売り戻され、と東京時間から激しい値動きでした。

ただ再び買い戻しが優勢となると欧州時間には1.1240近くまで上昇したものの、NY時間ではまた1.1100まで売られて引け。

 

ポンド・ドルは、1.2280台と多少下に窓をあけてスタート後、FRBの緊急利下げで1.2400台を一時回復しました。

 

ただその後は金曜日の明け方まで強まる米ドル買いと、2016年のEU離脱が決定したBrexit選挙後につけた1.200割れを狙うテクニカル売りも重なり、火曜日に一旦1.2000をタッチして1.2070で取引終了。

 

水曜日には明確に下にブレイクするとストップロスを巻き込んで、一時なんと1.1500まで下落。

木曜日にはBOEの緊急利下げもあり、1.1480台で引けて金曜日の明け方に1.1410台まで売られました。

 

そこからは一旦買い戻しが進み、1.1950手前まで上昇しますが、1.2000はタッチできず、1.1630まで再度売られて引けました。

 

オーストラリア・ドルですが、0.615と小幅に下に窓をあけてスタート後、FRB利下げで一時0.6300まで上昇しました。

しかしその後はコロナショックの影響を受けやすいとの見方、米ドル買い、リーマンショック時の下値0.6000を狙うテクニカルもあり、売りが優勢。

 

ジリジリ下げが続き、火曜日には一時0.600割れを実現。

水曜日には0.5700まで大幅に引き続き売りが加速し。木曜日には緊急利下げのサプライズ!一時0.5510台まで急落です。

その後はやや買い戻しの相場となりましたが、一時0.6000に近づくもタッチできず、結局0.5790台まで売り戻され引けました。

 

 混乱の沈静化は当面先か

さて、米国をはじめ、世界の中央銀行が利下げを実施。

米国を皮切りに財政政策の出動との報道が出ておりますが、いまだ米株式市場の急落を抑えられておりません。

 

渡航禁止令やレジャー施設、レストランの営業停止などの方策がとられる中、世界的には経済活動は縮小。。。

景気後退は必至との見方が強く、市場が落ち着くまでにはまだまだ時間がかかりそうです。

 

金融機関が健全であり、貸付余力があることや、中央銀行の流動性供給策で優良企業が資金繰り倒産する事態は避けられそうですが、Moody’sやS&Pと言った格付け会社による企業の格下げが急速に増えてきており、ある程度の倒産件数の増加は避けられないと思われます。

 

またサウジ、ロシアの需要見通しが減退する中での増産で原油価格が急落しているためエネルギー企業の倒産も出てくるかもしれません。

 

引き続き生き残りを主眼に置いた小さいポジション取りを心掛けるしかない相場です。

簡単に100pips以上動く感じなので、慎重に行きましょう。

 

「有事のドル買い」がどこまで続くのかが目先のテーマでしょうか。

 

一旦落ち着けばまた全体的に米ドル売りの局面が来そうなイメージでおりますので、その動きに備えて余力を持っておきたいところですね!

 

それでは皆様、今週もグッドラック!!

 

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