コロナウィルスの感染拡大のペースがやや鈍化しているといった報道や、米製薬会社ギリアドが治験を行なっている抗ウィルス薬レムデシベルが重症患者に対して一定の効果があがっているといったニュースで、株式市場は持ち直しています。
ただ先行きの景気見通しは引き続き不安定であり、為替市場も一方向に動くという展開にはならず、大きな方向感は出ませんでした。
主要通貨の動きもまちまちの結果で終わった印象です。
イースター休暇でドルは下げる
ドル円ですが、108.50と若干上に窓をあけてスタート。
欧州がイースター休暇で閑散相場かと思われましたが、上値の重さが意識されてダラダラと下落していきます。
月曜日は米株の下落も手伝って107.50まで低下しました。
火曜日はイースター明けの欧州勢からドル売りが持ち込まれ下落開始、NY時間でも勢いが止まらず株価大幅反発にも関わらず一時107円割れまで続落。
株価の上昇が「有事のドル買い」を緩めたということなのか、難しい動きです。
水曜日も東京時間は下値を伺う動きで107円割れも見られましたが、底抜けはせず反転上昇へ。米小売、NY連銀の景況感指数が落ち込み株も下落したこともあって、有事のドル買いということなのでしょうか、一時107.80台まで反動を見せました。
木曜日、金曜日も方向感こそ出なかったものの、日中の動きは不安定で107円、108円超えの水準をいったり来たりの不安定な動き。週末に向けて株価が回復する中でしたが、ドル円は結局どちらにも傾かず107.50と若干円高の水準で金曜クローズを迎えました。
ユーロ・ドルは1.0930近くから取引開始です。
イースター休暇で欧州勢が不在でしたが、欧州時間の入りに1.0970近くまで上げたと思ったらNY時間に1.09割れまで下落と落ちつかない展開でした。
火曜日のイースター明けはドル売りが持ち込まれたことや、「イタリアで感染確認数が落ち着いて来た」との報道で1.099台まで上昇。しかし、1.1000の壁に上昇を阻まれると、やや売りが優勢に。
水曜日は一時1.0850台、木曜日、金曜日は一時1.0810台まで売られました。ただドル円と同じく下値のブレイクに失敗すると、やや戻して1.0870台で引けました。
ポンド・ドルは、1.2450台でスタート。ユーロと足並みを揃えて火曜日までは上昇基調となり1.2640台まで上値を伸ばしました。
その後水曜日に一気に1.2430台まで急落、特に大きな材料は出ていませんでしたが、全般的に不安定な値動きを見せました。その後は1.2400と1.2500超え近辺のレンジ相場となりジグザグの値動き隣、1.2500近くで週末へ。
オーストラリア・ドルもおおむねユーロ、ポンドと同じ様な値動きでした。
0.6340からスタートして火曜日のNYまでは上昇基調で0.6450近くまで上昇。水曜日、一旦上値が抑えられると0.6300割れまでに下落します。
その後は一進一退を繰り返して結局は小幅に上昇となる0.6360台で引けました。
コロナを巡って、米中対立再燃か
さて、コロナ関連で多少感染ピークアウトかもしれない、または治験薬が効果を出しているかもしれないという明るい話も聞こえて来ていますが、今後の景気後退を考えると株式市場が一本調子に上昇するとは考えにくいでしょう。為替市場も再度値動きが荒くなる展開が予想されます。
週末の報道で気になるところは、米トランプ大統領が「今回のコロナ騒動で中国に非がある事が証明されれば、報いを受けるべき」と発言していることです。
またHIV発見でノーベル賞を受賞したモンタニエ博士が「新型コロナは人工ウィルスと論文発表」という報道もあり、米中経済のデカップリングが更に進む可能性が出ているように思います。
ここ10年以上、経済のグローバリゼーションは、世界にとって良いことだという見方の元、世界貿易の拡大、人や資本の移動の自由化が推し進められてきました。しかし、今その転換点が来ているのかも知れません。
コストが安いからという理由で、中国は世界の工場としての地位を築きましたが、やはり政治の民主化に限界があります。そんな中国からSARSやら今回のコロナ騒動やらが発生し、情報もスムーズに開示されない状況を見て、世界的に中国を見る目は厳しくなってゆく気がします。
その時、起こるのは資本を自国に引き揚げて、国内経済を守るブロック化の動きでしょう。為替市場も今ほど自由に取引出来ないという事態になるかもですね。それだけは勘弁して欲しい!損してもやっぱり自由に取引出来る市場があるのは素晴らしいと思います。
コロナに関して決定的な薬品の開発、生産にはそれなりに時間がかかると分かっている以上、大きな方向感が出にくい展開が継続すると予想されます。行ったり来たりの動きが続いて疲弊しそうですが、今週も頑張っていきましょう!それでは皆様、グッドラック!!
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