FXコラム

マーケット情報

今週の相場観:2020年4月第5週

先週は5月限月の原油先物価格が史上初のマイナスを記録。

「米製薬会社ギリアドが抗ウィルス薬の治験に失敗」といったネガティブな報道がありつつも、米国でコロナ救済法案の成立などもあって株価もなんとか大幅な下落を回避しました。

 

為替市場では、主要通貨で大きな方向感は出ずおおむねレンジで推移しました。

 

 

世界景気の見通しに対する不透明感は非常に強く、新興国通貨売りは継続中です。

 

レンジ内で上下したドル円

ドル円ですが、107.50台からスタート。

東京時間からいわゆる5・10日のドル買いが見られ107.90台までするりと上昇するも、108円ブレイクに失敗。

これ以後、107.60まで低下と振るわずでした。

 

欧州勢が加わっても大きな動きは出ず、NY時間に貯蔵タンクがすでに一杯ということで5月限のWTI原油先物が史上初のマイナス圏突入と荒れましたが、ドル円は全く反応なし。

 

ただ、さすがに火曜日に入ってエネルギー企業の株価などへの影響が懸念されたこともあって若干リスクオフ気味に。

NY勢が本格参入するまでに107.30まで下落しました。

 

しかし、米追加経済対策の暫定合意報道や、トランプ大統領の石油ガス会社援助の意向とのコメントを受けて107.80まで買い戻されました。

その後も107円と108円の間のレンジ内でいったりきたり。。。

 

木曜日はギリアドの治験失敗報道で107.40割れまで売られたところで、NY時間に日経が「日銀が国債の無制限買い取り、コマーシャルペーパーや社債買取枠の倍増を議論」と報道し、一気に108円越えを達成。

 

しかし、ドル買いは長続きせず結局107.40まで売り戻され、金曜日もレンジ内取引に終始しほぼ前週引けと変わらず107.50台で引けました。

 

週半ばまで売りが優勢となった欧州通貨

ユーロ・ドルは週を通じて売りがやや優勢。

 

1.0870台からスタートすると、月曜日は狭いレンジで方向感は出ず、火曜日東京時間に月曜日のNY時間の原油暴落を受けて、ユーロ円が売られたことで1.0810台まで下落。

「ECB、非投資適格社債を担保として受け容れることを検討」と報じられると1.0870台まで持ち直しました。

 

一部ロックダウンの緩和観測などがポジティブと見られる一方で、「EU復興の共同債発行は合意に至らず」という報道で売られて1.08割れを達成。

金曜日も下値を模索する動きとなり1.0730まで下落しました。

しかし、特に材料は見られませんでしたが、週末を控えた調整か一気にドル売りの流れとなり1.0820台まで買い戻されて引け。

 

ポンド・ドルは、1.2500台でスタート。

月曜、火曜日は原油の下落を受けて売りが強まり1.2250まで下落しました。

 

特に材料があったわけでは無いですが、原油価格が下落すると中東やロシアからの英国の資産買い。

ポンド買い資金フローがなくなるとの連想があったとかないとか。

水曜日以降は原油価格が若干買い戻される中、ポンドもじりじりと買い戻され1.2370近くまで戻して引けました。

 

オーストラリア・ドルは、0.6360からスタート。

月曜日は0.6400手前まで変われる場面もありましたが、原油価格の急落とクロス円の売りから火曜日は一転して売りとなり0.6250近くまで下落と荒い動きが見られました。

 

ただポンドと同じく原油価格の落ち着きと、中国でのウィルス感染が抑制されている状況が好感されてかするすると買い戻され、0.6370台で引け。

 

原油価格大混乱も為替には影響せず

月曜日から原油先物がマイナスをつけるという非常事態があり、CFDやETFを通じてかなりロングを積み上げていた個人投資家が軒並み損失を被ったという報道が見られました。

 

しかし、原油の値幅の割に為替市場はそこまで動かず。。。

特に世界経済に対する見通しが大きく変わった訳でもない中での商品市場のテクニカルな動きであったという見方です。

 

原油先物で代表的なものはWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物とブレント原油先物の2つです。

前者は米国のオクラホマ州クッシングの陸上貯蔵庫を前提とした取引となっています。

物理的に貯蔵庫のキャパを越える量が市場でロングした場合、ロングしていた人は貯蔵手段がないのに原油を先物限月の5月に受け取らなくてはいけないという事態になります。

そのため、値段がいくらであっても貯蔵手段を持たないロングの人は投げ売りをせざるを得ず、今回マイナス圏までの下落といった特異現象がみられました。

 

他方、ブレント原油先物は北海の海上油田が前提となっており、余剰在庫分に対してタンカー船を増やし、貯蔵量キャパシティを増やすことが出来る特性から価格はマイナスとはなりませんでした。

商品市場特有の事象すぎて為替に大きな影響は出ずでしたが、引き続きOPEC+の減産と世界的な需要減少は要モニターですね。

 

あとは一刻も早くコロナウィルスへのワクチン、特効薬が開発されることを祈るしかないでしょうか、経済の本格稼働には。

5月からロックダウン、外出自粛を緩和しようという動きがちらほら出ていますが、感染の2次拡大のリスクが高いように思われます。

 

なかなか景気の本格回復にはいたらずで、日本の連休もあり、やや円高へのリスクが高いとの見方が強いですね。

北朝鮮の金正恩氏の重症説もあり、ちょっと円買い持ってみるのも面白いかも。

 

金融政策的にはかなり出尽くし感がありますので、なかなか方向感が出ない、レンジ相場で、これまた疲れそうですが、次の大きな動きが出るまで気長に軽めレンジ取引で生き残って参りましょう!

 

それでは皆様、今週もグッドラック!!

 

≪おすすめの海外FX業者≫

■超人気海外FXブランド XM
XMの口座開設はこちら

■初心者向けの固定スプレッド業者 IFCMarkets
IFCMarketsの口座開設はこちら

■低スプレッドが人気の秘密 Tradeview
Tradeviewの口座開設はこちら