各国で経済活動再開の動きがある中、先週は「米国、ウィルス拡散について中国を非難」という報道や、コロナウィルスの感染拡大第2波への懸念が出たため、株式市場は弱含みの推移となりました。
リスクオフ雰囲気の中、主要通貨に対して米ドルが買われ、クロス円主導の円買いも。
とりわけ、ドル円は円ドル共に強く推移したため、綱引き状態でレンジでの小動きでした。。。
感染第2波の警戒感から下落したドル円
先週のドル円は106.60台からスタート。
東京時間に一時的106.40近くまで下げましたが、その後は株式市場の回復や、米国債の供給増を警戒した米国債金利の上昇の効果もあり欧州時間から買いが集まりました。
107円を上にブレイクすると勢いは止まらずNY時間には一時107.80近くまで大幅上昇。
火曜日は米国アレルギー感染症研究所のファウチ所長が「経済活動の時期尚早な再開はコロナウィルスの爆発的な感染拡大を再び起こしかねない」と発言。
これを受けて株式が下落し、釣られてドル円も107円台前半まで下落しました。
水曜日はパウエルFRB議長の発言がハイライト。
同氏が「現時点でマイナス金利は考えていない」と発言したことで、で株式が売り優勢となり、ドル円も106.70台まで売り戻されました。
週末に向けてはトランプ米大統領が米中断交に言及!小売売上の記録的な下落も材料となりましたが株価はおおむね横ばい。
ドル円も大きめのオプションが設定されている107円、107.50が意識されたレンジ推移となって、結局107円台で週末を迎えました。
クロス円売りで下落した欧州通貨
ユーロ・ドルは、1.0840台からスタート。
月曜日は米金利の上昇を見ながら米ドル買いに押されて1.0800まで下落。
火曜日は一転してファウチ発言で米ドル売りとなった反動でユーロは上昇、1.0880越えまで上値を伸ばしました。
水曜日も一時1.0900近くまで上昇する場面もありましたが、パウエルFRB議長のマイナス金利否定発言と、株の下落によりクロス円主導で下げ始め1.0820台まで戻しました。
木曜日もクロス円の売りに押されて一時1.0870割れまで下落しましたが、週末にかけて株式市場の回復と共に持ち直し1.0820で引け。
ポンド・ドルは、1.2410台からスタートし、終始売りが優勢となりました。
月曜日は米ドル強含む中で1.2330台まで下落。
火曜日はクロス円の売りが重石となり1.2260まで引き続き下げました。
水曜、木曜は小動きでしたが、金曜日になってEU、英国双方からブレグジット交渉の難航を伝える発言が聞かれたことが材料に。
大幅に売られて1.2110台まで下げて引けました。
オーストラリア・ドルは、0.6530台からスタート。
二次的なウィルス感染拡大が意識されたこと、ここまで株価が大きく回復してきたことため、株価の調整の影響を受けて、オーストラリアドルも上値が重い展開。週を通してじりじりと下落して0.6410台でクローズでした。
米中のヘッドラインなどを受けて、リスクオン・オフが頻繁に切り替わる中、日中の値動きはやや荒いものとなっています。
クロス円売りの下落に警戒
さて、3月半に一旦株価下落の底をつけてから、4月は株価が大幅に回復しました。
ただ5月に入ってからは、米中の関係悪化やコロナウィルスの感染第2波を懸念する声も聞かれる中で、株価は一進一退の状況。
クロス円もそれと歩調を合わせる形でレンジにて推移して方向感の出にくい展開となっています。
相場の格言に“Sell in May“というのがありますが、先行き不透明感と上値の重さを考えると、一旦株式でやれやれ売り的な取引が活発化する可能性もあり、その場合はクロス円が大幅に下落する局面もあるのでは。
警戒してトレードに臨みましょう。
米国の小売JCPennyが米連邦破産法11条の適用を申請して経営破綻したこともショッキングなニュースでした。
日本ではアパレルのレナウンが民事再生法を申請し破綻。。。
両社とも最近数年単位で業績が振るわない中、コロナショックでとどめを刺された形になりました。
今後、何とかやりくりしてきた企業の倒産が増えて、ヘッドラインを賑わす可能性はあります。
しかし、米大手企業の資金調達はおおむね順調に進んでいますので、経済全般に影響のあるような連鎖倒産、金融機関システムの崩壊といった事態は避けられるように思われます。
なので、米中、企業業績不振などのヘッドラインで株価、クロス円が調整した時は、一旦はクロス円の売りで入り、あまり深追いせず次の戻りを狙うといった戦略が得策かも。
それまでは小さめのポジションをレンジ取引で稼ぐしかないですかねー。
何がきっかけで動き出すか見えにくい状況なので控え目ポジションで生き残りましょう!
それでは皆様、今週もグッドラック!!
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