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今週の相場観:2020年6月第4週

先週は、週前半は米FRBによる個別社債の買入れ開始、トランプ大統領のインフラ投資に関する発言を受けてリスクオンモード発動。

クロス円などが強く取引を開始しました。

 

その後はコロナウィルス感染拡大第2波への懸念や北朝鮮を巡る地政学リスクなどが意識され株価の上値は重く。。。

ドル円、クロス円とも失速する展開に。

 

前週との比較では対主要通貨で米ドル高、円高となりましたね。

 

第2波懸念に下落したドル円

ドル円は、107.30近くからスタート。

欧州時間には一旦107円ちょうどまで売られますが、NY時間にはFRBによる社債買入開始の報道を受けて株価持ち直しの中、再び107.50まで買いが進みます。

 

火曜日はトランプ大統領が大規模なインフラ投資について言及したことでクロス円の上昇につられてドル円も107.60台まで上昇。

しかしその後は、北朝鮮が南北共同連絡事務所を爆破したことで上値は抑えられ、107円台前半まで押し戻されました。

 

水曜日以降は、コロナウィルス感染拡大第2波への懸念から米株式は伸び悩み、米国債金利も低下したことからドル円もじりじり売られていきました。

水曜日には107円割れ、木曜日には週の安値106.60台まで大幅続落。

 

大きな方向感は出ず、若干買い戻されて106.80台で引けました。

 

クロス円売りで下落した欧州通貨

ユーロ・ドルは、1.1250台からスタート。

東京、欧州は小動きでしたがNY時間に、上記FRBによる社債買入開始が発表されました。

これと同時に、クロス円の買い主導で一気に1.1330台まで上昇。

 

火曜日もトランプ大統領のインフラ投資発言がクロス円の上昇に繋がり、ユーロ・ドルも1.1350まで上昇となりました。

しかし北朝鮮報道とコロナ第2波懸念で株式市場が失速したことで、水曜NY時間には1.1250割れまで下落。。。

木曜日に1.1200割れと下値を切り下げて行きました。

 

金曜日は特に材料のない中、四半期末に向けてか日中の値動きが荒く、NY時間前半にいきなり1.1250まで上昇したかと思えば、ロンドンフィックス(日本時間午前12時)に向けて急速にドル買いへ。

再び1.1200割れまで売り込まれ、底値圏の1.1180近くで引けました。

 

ポンド・ドルは、1.2540台からスタート。

 

ユーロと同様にFRBの社債買入報道で月曜日に1.2600まで買われ、火曜日のトランプ大統領のインフラ投資報道で1.2690まで上値を伸ばしました。

その後は、北朝鮮報道などで失速。。NY時間には1.26割れまで続落です。

水曜日は小動きで、翌木曜日のBOE会合へ。

 

BOEは政策金利据え置き、資産買入枠を1000億ポンド拡大しましたが、景気見通しに楽観的な見方を表明。

量的緩和拡大ペースも予想より緩やかとなるタカ派的な内容でした。

タカ派的なトーンを受けて会合開始時の1.2500付近から1.2560まで買われますが、「緩和を緩めることは景気にネガティブ」との見方が強まると、失望売りが始り1.2400近くまで下げ。

金曜日もずるずる売られて1.2350近くで引けました。

 

オーストラリア・ドルは、0.6840台から多少下に窓を開けてスタート。

 

他通貨同様にFRBの社債買入報道で0.6900越えまで買われ、米トランプ大統領のインフラ投資報道で0.6980近くまで続伸。

以降は北朝鮮報道などで失速し0.6850割れまで反転下落です。

金曜まで方向感なくレンジで推移。

金曜日は一時0.6900を回復しましたが、週末を控えて新型コロナ第2波懸念もあり、結局0.6830台と底値圏で金曜クローズでした。

 

ホリデーシーズンに向け下落基調か

FRBの個別社債買入が開始されました。

これにより、大企業の資金繰り倒産が大幅に増加する懸念は引き続き抑制されていると予想されます。

 

景気、雇用に対してポジティブではあるわけですが、コロナ第2波への懸念が高まりつつあります。

米国ではアリゾナ、フロリダ、カリフォルニア州で感染者数の増加が連日報道。

アップルはこれらの州での店舗を一時的に再閉鎖すると発表し、投資家心理はかなり悪化しております。

 

またクルーズ船の業界団体が感染者数の増加を受けて、9月15日まで運航を停止する企業も。

実質今年のバケーションシーズンに、ほぼ運航できないこととなりカーニバル、ロイヤルカリビアンといった大手クルーズ会社の株価の下落なども見られました。

 

引き続き、本格的な経済再開への道のりは遠いと言ったところでしょうか。

クロス円も伸び悩みと言った状況が継続しそうです。

 

一方で、サノフィ、アストラゼネカといった製薬大手企業から「ワクチンが来年の半ばには準備できる」といったコメントも出てきており、こちらはポジティブ材料ですね。

引き続きコロナ感染を巡るネガティブ・ポジティブ報道のせめぎ合いで、なかなか方向感が出にくい相場という感じでしょうか。

 

ただこれから夏休みシーズンに入ってきますので、市場参加者が減り若干リスクオフ、主要通貨で安全通貨のドル高、クロス円下落になりやすい時間帯かもしれません。

悩ましいところですが、ややリスクオフを狙ったクロス円の売りを念頭において今週を過ごそうと思います。

 

そろそろ日本企業でもオフィスへの出勤が本格化してきているようです。

感染が再拡大しないと良いのですが。。。

 

それでは皆様、今週もグッドラック!!

 

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