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今週の相場観:2020年8月第1週

コロナウィルスの感染拡大が世界各地で見られる一方で、ワクチンの開発進展を示唆する明るいニュースも目立ち、市場は小康状態に。

 

そのような環境下、FOMC声明とその後の質疑応答では、パウエルFRB議長の緩和政策の長期間継続を示唆する発言を受けて、米ドル売りの流れは継続しました。

 

金曜日は月末のリバランスもあり一旦米ドルが買い戻されましたが、前週比では対主要通貨で米ドルが大きく下げました。

 

ドル円は売り継続もリバランスで大幅に戻す

ドル円ですが、106.10近くからスタート。

 

先週長期間に3月来のレンジの下限であった106円を再度割り込むと下攻め開始、月曜日のNY時間には一時105.10台まで下落しました。

その後も全般の米ドル売りの流れの中、ドル円も下落を継続。火曜日に一時105円を割り込むと、水曜日も104.70台まで続落です。

 

木曜日東京明け方のFOMCでは、パウエル議長から「雇用の最大化に向けて使えるツールは何でも使う」と言明。

また足元コロナ再拡大で経済活動が鈍化していることを強調しており、緩和政策が長期間に渡り継続することが示唆されました。

 

予想通りの内容だったとはいえ、足元の米ドル売りの流れをサポートする形となり、木曜日は104.60台でフィニッシュ。

金曜日には一時104.10台まで下落しました。

 

一旦下げ止まると、今度は「ここまで強力に進んできた米ドル安の反対売買が月末のリバランスで起こるのでは」との思惑からドル円の買い戻しに反転!

ショートポジションのストップを巻き込んで上げ足を強め、105.80台まで戻しと1円以上の上昇を見せました。

結果として、1週間で見ると、前週の引けの106.10台比では小幅の下落で終えました。

 

欧州通貨は上昇トレンドもドル買戻しに下落

ユーロ・ドルは、1.1650台からスタート。

 

欧州サイドから大きな材料がない中、市場全般のテーマとなっている米ドル売りの相手としてユーロの買いは継続中です。

月曜日には1.1700を上にブレイクすると1.1770台まで上昇しました。

 

火曜日は一旦売り戻されましたが、水曜日から東京の木曜明け方にかけては、FOMCでのパウエル議長の緩和長期継続を示唆する発言を受けて一段上値を伸ばし1.1800到達を達成。

木曜日のNY時間も1.1850近くまで上昇し、金曜日には1.1900到達と大幅な上昇を演じました。

 

しかしドル円同様に、一旦は月末リバランスが意識されて米ドル買戻しの流れに。

最終的に1.1770台まで戻して引けとなりました。

 

ポンド・ドルは、1.2800からスタート。

EUとの貿易交渉で大きな進展は見られませんでしたが、市場テーマであった米ドル売りを受けてユーロと同様に週を通じて上昇基調に。

 

月曜日に1.2900到達、火曜日1.2950、水曜日に節目の1.3000到達、木曜日も止まらず1.3100まで上昇と強い上げ足を維持しました。

金曜日も1.3170まで上昇しましたが、そこで月末リバランスの米ドル買戻しが始まり1.3080台まで戻して引け。

 

オーストラリア・ドルは、0.7100台からスタート。

コロナ拡大が報道される中でしたが、市場全般の米ドル売りの流れの中で上昇基調となりました。

 

月曜日に0.7150、火曜日は横這い、水曜日は0.7200手前まで上昇しました。

ただ他の主要通貨と比較して、米中のTikTokを巡る舌戦、対立激化の影響からか上昇の勢いは若干物足りない印象。。

 

しかし金曜日に0.7200をブレイクすると0.7220台までの上昇を記録。

そこからは他通貨同様に月末オーダーで米ドル買戻しとなり、0.7140台まで戻して引けました。

 

市場が薄い時期の大変動に要注意

さて、米企業決算が概ね順調に消化されていますが、コロナウィルス拡大は世界中で見られており目先の経済活動の鈍化が予想されます。

株式市場ではここまで上昇してきたことから利食い売りも散見されている模様。

 

為替市場では米ドル売りの勢いが強まって来ています。

 

追加の財政政策への期待感もさることながら、パウエル議長の緩和政策の長期間継続を示唆する発言や、実際に社債の購入プログラムの終了期間を当初の9月末から12月末に延期するなどの行動から、市場は米ドル売りを中長期で予想する筋が増えて来ました。

 

3月のように本格的な相場の混乱とそれに伴うリスク回避的な米ドル買いという局面がこなければ、他国と比較して大幅な緩和を実施している米ドル売りが支持されるのも一応納得感はあります。

 

TikTokを巡る米国による中国に対する非難発言にも見られるように、劣勢が伝わるトランプ大統領が大統領選を控えて対外的にハードスタンスでとって国民にアピールしています。

そのため、8月の大混乱といった事態を警戒しておかなくてはというイメージでしょうか。

 

今週は雇用統計などの主要統計が発表されます。

個人的には米ドル売りのテーマは継続すると思いますので、前の週同様にユーロ・ドル、ドル円での米ドル売りを基本としたポジションで臨みたいと思います。

 

前の週の7月末リバランスでも見られましたが、市場が薄くなってきていますので値動きは予想以上に出ます。

ロットは控えめにいかないと危ないですね。

 

それでは皆様今週もグッドラック!

 

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